特別養護老人ホームの人員基準 日中・夜間(夜勤体制)

特別養護老人ホームにおける人員基準は、施設の運営において非常に重要な要素です。各職種において、入所者の数に応じた配置が法的に求められています。本記事では、施設長、介護職員、看護職員など、各職種ごとの配置基準について詳しく解説します。具体的な配置基準を理解することで、適切な人員配置が可能となり、質の高い介護サービスの提供が実現します。

特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホーム(特養)は、高齢者のための施設で、日常生活に支援が必要な方々に対して、食事、入浴、排泄などの介護サービスを提供する場所です。主に要介護3以上の高齢者が入所し、24時間体制で介護職員や看護職員が支援を行います。家庭での介護が難しい方や、自宅での生活が困難な方が利用することが多いです。

特別養護老人ホームの人員基準

指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準、地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準から抜粋すると、特別養護老人ホームの人員基準は以下のようになっています。

職種 配置基準 常勤/常勤換算 専従/兼務
施設長(管理者) 1 常勤 原則専従。管理上支障がない場合、当該特養従業者としての職務、同一敷地内の他事業所、サテライト型居住施設の兼務可。
医師 必要な数 - -
介護職員 3:1以上 常勤換算

※常勤1名以上(地密)

原則専従。ユニット型を併設する場合の介護・看護職員については、専任。
看護職員 30名以下:常勤換算で1名以上

31~50名:常勤換算で2名以上

51~130名:常勤換算で3名以上

130名超:130名を超えるごとに50名ごとに1名追加

常勤1名以上

生活相談員 100:1以上 常勤 当該特養の他の職務との兼務可。
機能訓練指導員 1以上 常勤 当該特養の他の職務との兼務可。
介護支援専門員(ケアマネ) 1以上 常勤 原則専従。当該特養の他の職務との兼務可。
栄養士 1以上 常勤 原則専従。ただし、入所者の処遇に支障がない場合、他の社会福祉施設の栄養士の兼務、入所者の処遇に支障がない場合は、調理員の兼務可。
ユニットリーダー ユニットごと 常勤 -

介護職員・看護職員の専従に関する規定と例外

指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の介護職員・看護職員は基本的にその施設の職務に専念する必要があります。ただし、以下の場合は例外です。

  • ユニット型指定介護老人福祉施設(ユニット型特別養護老人ホーム)を併設する場合、そのユニット型施設の介護職員及び看護職員。
  • ユニット型指定地域密着型介護老人福祉施設(ユニット型地域密着型特別養護老人ホーム)を併設する場合、そのユニット型施設の介護職員及び看護職員。

これらの場合、入所者の処遇に支障がなければ、専従でなくてもよいとされています。

介護職員・看護師・准看護師の夜間配置について

厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準

厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」では、利用者数に応じて夜間の介護職員または看護職員の配置基準の例として以下のように示されています。介護職員または看護職員という形になっており、一般的には介護職員を配置しているケースが多いのが現状です。

  • 25名以下:1名以上
  • 26~60名:2名以上
  • 61~80名:3名以上
  • 81~100名:4名以上
  • 101名以上:100名ごとに1名追加

看護師・准看護師の夜間配置について

特別養護老人ホームの人員配置の要件では、看護師・准看護師について24時間体制で必ず夜間に配置しないとならないという要件はありません。夜間に人員体制を強化したり、見守り機器を導入した場合に算定ができる「夜勤職員配置加算」という加算がありますが、この加算を算定する場合でも夜勤を行う介護職員または看護職員を増やすという要件となっており、看護職員でなければならないわけではありません。

まとめ

特別養護老人ホームは、高齢者に対して24時間体制の介護サービスを提供する重要な施設です。各職種の人員配置基準を遵守することで、入所者に質の高いケアを提供し、施設の運営を円滑に進めることができます。本記事で紹介した配置基準を参考にしながら、適切な人員配置を行い、より良い介護サービスを提供していきましょう。施設の運営者は、常に最新の基準を確認し、法的要件を満たすことが求められます。

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